ありそうで、ない。

世界各地の料理が食べられる。しかも昔と違って、“なんちゃって料理”は減り、本場の味に近いものが食べられる。東京は、国際都市のなかでも稀有なところだ。


でも、郷土感があるパスタを、ランチで気軽に食べられる店となると、意外と、ない。


都内でもわざわざ行く街ではなく、ターミナル的な街には、そういうトラットリアが、本当に、ない。


そんななかで、この店は貴重だ。


本日のパスタは「モルタデッラとズッキーニを使ったトンナレッリ・ロマーナ」。


「トンナレッリよりさらに太い、うどんのようなロングパスタで、カチョ・エ・ペペのようなシンプルな調理にしています」と、大崎シェフ。


ペコリーノ・ロマーノとグラナ・パダーノの“増し増し”ダブル使いは、シェフから私への暗黙のアグレッシブなサービス。(本来はもっと上品な提供がされていますので、みなさんご安心を 笑)


チーズの話はさておき、こんなパスタがサクッとランチでも食べられる店が、東京ならもう少し増えてもいいのになぁ。


ありそうで、ない。

なさそうで、ある。


今日は、心とお腹を満たすランチが、午後の仕事へ向かう私の背中をグーッと押してくれた。

しなやかに、食べよう。

食を中心としたカルチャーやライフスタイルのプロジェクト。そこにはモノがあり、ヒトがいて、コトが生まれます。 佐野嘉彦が代表を務めるsembrar(センブラール)では、企画や取材執筆、編集、またイベントやセミナーの実施など、さまざまなコミュニケーションのサポートを担っています。