たかが名刺、されど名刺。

フリーランスとして仕事をするなら、名刺はいわば「営業ツール」。


これまでの仕事で色々な販促物を作ってきたこともあり、私の思い入れというか、妄想が暴走気味だったので、一旦、自分で与件を整理。その上で、私のパーソナリティはもちろん、日頃からチーズの活動を通じて多面的に理解してくれているデザイナーのI.M.さんとの打合せに入りました。


「sembrar」という屋号に込めた想いや、どうしても入れたい文字要素、厚めの紙で活版印刷にしたい・・・などを共有。一頻り「ふむふむ」と聞いてくれたI.M.さんが、初回の打合せの最後に一言。「何か、今頭に浮かんでいる《色》ってありますか?」


《色》か・・・。


普段から同じ色のものしか着ないとか、そういうこともないので、次回までの宿題にしていただき、ひと悩み。その後「そういえば誕生日ごとに《色》ってあったりするのかな?」となんとなく思いつき、Google検索。出てきたのが「マロー」という青みの強い紫色でした。しかも、ちょっと胡散臭い占い付き(笑)


3月24日の誕生色
マロー:ゼニアオイの花の強い紫  #934491

「心の友人を求めるロマンチスト」

自分の感性を理解してもらいたいと願い、心の友を求めるロマンチストですが、感情を客観的にみることが苦手なタイプです。高尚な趣味を持ち、文化を探求しつづけます。ひとりよがりにならないよう、まわりを見る目を持つことが大切です。

向いている職業は、ライターやレポーター、報道カメラマンなどです。


・・・笑。

まぁこういうものに出合ったのも、何かの縁。とりあえず、I.M.さんに情報共有すると、何かデザインのイメージに響くものがあったようで「いいかも!」というお返事。その後、やり取りを数回重ねつつも、サクサクとデザインは完成していきました。


マローの色は、名刺の側面に色を施す「小口染め」という加工に活用。


紙は、見本から「これがいい!」とピンときたものをセレクト・・・したら、それが牛乳パックの再生紙を50%以上使用した「ニューズ」という紙で、色名はなんと「ミルク」。チーズにつながるミルクのストーリー、もう即決です。


昨夜は完成品を前に、I.M.さんからはハーブの「マローブルー」を開業祝いにいただきました。


たかが名刺、されど名刺。


私の些細なツールではありますが、「想いを巡らせながら、そして人とのコミュニケーションを深めながら、妥協しないものづくりをしていく」という姿勢は大切に、これからも仕事をしていきたい。そんな決意を新たにしたのでした。


しなやかに、食べよう。

食を中心としたカルチャーやライフスタイルのプロジェクト。そこにはモノがあり、ヒトがいて、コトが生まれます。 佐野嘉彦が代表を務めるsembrar(センブラール)では、企画や取材執筆、編集、またイベントやセミナーの実施など、さまざまなコミュニケーションのサポートを担っています。